2009年10月31日〜11月1日は、チャレンジリーグ最終戦「宇都宮OPEN CUP2009」。今年結成した「新生Team-C」として最初のシーズンが終わることになります。今年参加した大会では好条件で思う存分飛べたと言うことがなく、隊員も不完全燃焼でここまで来てしまいました。これでシーズンが終わることになるので、事前に「宇都宮攻略法」などのミーティングを行ったり、クロカン訓練などで多角的に訓練を積みました。 |
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宇都宮の朝 | |
7時から受付開始。そして、受付が終わった選手から機体をトラックに乗せてテイクオフへ移動です。ここでは、モノラック乗り場まで機体をトラックで運び、選手は徒歩で講習バーンを上ります。朝から良い運動になりました。 昨年も感じたことですが、ここのモノラックは最後にものすごい斜度があります。「よく設置したよなぁ」と毎回思ってしまいます。準備が早かったので1便で上がる事が出来ました。 |
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左:運転は朋ちゃん 右:小林隊員とゆう子隊員 | |
左:この歯車が命 右:高架を走る・・・ | |
テイクオフに到着すると、やはり眼下は靄っています。良くなるのは11時以降。まだ8時にもなっていません。選手みんなが揃うにも時間がかかるので、しばらくはのんびり待つことになります。テイクオフの待機ゾーンはグループ毎に場所が決められています。そこに機体を置いて日向ぼっこ・・・。 | |
左:靄がかかる 右:なごむ・・・ | |
選手が揃ったのは10時前。テクニカルデリゲートの長島氏司会により開会式が行われ、競技委員長で宇都宮スカイパーク校長の谷田さんから挨拶や、ローカルルールなどの注意点などの説明の後、仮タスクが発表されました。気象データでは渋そうな予想からタスク変更の可能性もありましたが、選手はせっせとGPSにルート入力していました。 | |
左:開会式 右:谷田校長(競技委員長) | |
今日の予想では11時30分頃からある程度の条件が整うと言うことで、比較的のんびりと時間が過ぎました。その間にタスクコミッティーによる協議。仮発表のタスクから遠めのパイロンを近場に変更して難易度を調整しました。風は南東から東よりで昼過ぎには強くなると言うデータもありゴールも湾内と言う意見も出ましたが、オープンクラスは北東方向に7Kmほど行った「B24徳次郎パイロン」がゴールの30Kmジャストとなりました。チャレンジクラスはオープンクラスの後半を修正しサブランにゴールする20Kmタスク。ダミーの上がりもまずますで、テイクオフから+200m程度はありそうです。十分競技が可能と判断し、ゲートオープン時間、スタート時間などが発表されました。 |
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左:堀田隊員とゆう子隊員 右:タスク決定 | |
ゲートオープンは11時15分。デパーチャーオープン11時30分。ゲートクローズは13寺15分。デパーチャークローズは12時15分。今年のランキング順で優先権のあるテイクオフは混乱もなくスムーズ。Pikaichiは10番手くらいで出ることが出来ました。昨年同様まだまだ渋い・・・。出来る事なら後続の小林隊員や堀田隊員を待ちたかったのですが、なかなかそうも行かない条件なのでとりあえずB02をカットしておこうとアンテナへ移動し、スタートを取ってから再びテイクオフ付近へ戻りました。が、サーマルはなかなかまとまらず上げる場所も限られる状況に四苦八苦。既に降りている選手も見えます。700mくらいまで上昇したタイミングで他の隊員には「先に回ります!」と連絡を入れて小学校へ向かいました。この判断の裏には、やはり昨年ゴールまで届かなかった苦い経験から「回れる条件のうちに回っておく」と言う気持ちが強かったからです。 | |
左:小学校へ向けて 右:テイクオフを上から | |
最初の三角パイロンは危なげなくこなしB02付近へ低いながらも移動しました。今日はテイクオフ近辺よりもB02近辺のサーマルが活発と感じたからです。メインのサーマルポイントはB02周辺と決め、フルーツパークへ向けて高度を稼ぎます。高度700mオーバーで離脱しフルーツパークを取りに行きました。次のランディング青い屋根(B10)へもダイレクトに行きたかったのですが、それではテイクオフより低くなってしまうのでB02に戻って高度を上げてから取りに行きました。12時を過ぎた頃からはサーマルも活発になり、サーマルトップも1000mを超えるようになりました。最初の難関である盲学校には1050mまで上げてスタート。途中は沈下も激しく高度ロスが予想以上でしたが、何とかシリンダーをカットしてB12へ直接向かってみることにしました。沖づたいはコースを選べばロスも少なくフォローも手伝って楽々B12を取る事が出来ました。この頃小林隊員がテイクオフしたのを確認し、テイクオフ横へ戻して一緒にセンタリングする事が出来ました。Pikaichiは途中でサーマルを離脱しB02へ移動。再び高度を稼ぎます。今回も1000m程度で2回目の盲学校へ。上手い具合に50m程度先にはTritonに乗り換えた高津選手が先行しているので、それを観察しながら追随できました。 | |
左:盲学校へ 右:高津選手のTriton | |
盲学校から先はもう一度B12。これも先行する高津選手が途中でサーマルを引っ掛けたのでそこに突っ込み上げ直します。それ程上がらないまでもB02へ楽に到達出来る高度になったためエリア離脱へ向けての高度を稼ぐ為にアンテナへ移動。堀田隊員と一緒にセンタリングし、サーマルのシフトに合わせて徐々に北東方向へ位置をずらしました。同じサーマルには増子選手、X-ALPS2009に出場した松原選手も居ます。 ここから先は誰も居ません。誰か先行するかと思いましたが誰も動かない感じなので、仕方なく?高度900mを超えたところでサーマルを離脱しゴールへと向かいました。少し遅れて右後方からブーメランらしき機体が追随してきますが、Pikaichiは昨年使った尾根寄りのコース、ブーメランはB02からゴールへ直線に結んだコースを進みます。最初のゴルフ場を越えるまでは沈下も少なく順調に移動出来ましたが、そこからは沈下が激しくなりました。サーマルに当たる事に期待しながらも、結局良いサーマルに恵まれることなく山の切れ目まで来てしまいました。高度は400m強。このままではB24に届かないので、昨年上げたポイントに突っ込むと予定通り?サーマルにヒットし高度550mまで回復。パラナビも何とか届く数値を示し、目線でも何とかなりそうな気がする。すぐ後にはブーメラン6の呑村選手がセンタリングしているのが見えるので、ファーストゴール狙いでサーマルを離脱しファイナルグライドに入りました。 |
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GOALまでの道のり・・・ | |
今回のゴールはB24。ですが、なぜかランディングポイントのブルーシートが敷いてある田んぼへ針路を取っていました。これが失敗だった。もともとギリギリの高度なのに、シリンダーから外れていると気付いた時には相当際どい高度になっていました。シリンダーをカットするには林の上に突っ込むしかありません。最初の旋回ではシリンダーに届かず、二度目の旋回でサーマルに当たりそのまま旋回を伸ばしてシリンダーをカットすることが出来ました。遥か上空には呑村さんが・・・。高度処理する必要もなく、そのまま真っ直ぐに指定された田んぼへランディングとなりました。 後から降りてきた呑村さんとガッチリ握手でゴールを讃え合いました。久々のゴールです。今年はイマイチ条件に恵まれなかった?ため、Pikaichiが参加した大会でゴールが出たのはJAMで飛んだ時だけ。Pikaichiはゴール出来ずにここまで来てしまったので正直ホッとしました。その後も続々と兵たちがゴールに現れ、喜びの声が響いていました。 エリアに戻ると小林隊員がまだ飛んでいました。既にサーマルは弱く距離を伸ばすのが精一杯な状況の中、果敢にタスクをこなしていました。 |
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左:GOALのLDポイント 右:しぶとい飛びの小林隊員 | |
競技は無事終了。オープンクラスは11名、チャレンジクラスも5名のゴール者を出し、渋い予想も途中からの活発な対流に助けられ、宇都宮FAINALタスク1は堂々成立です。 今回の宿はパーティー会場でもあるウェルサンピア。早々にチェックインしてお風呂に入り、さっぱりしてからパーティーへ!!昨年同様パーティーは豪華です。リーグ最終戦のパーティーとあって、今年も競技委員を務める鈴村氏による「面白表彰式」が行われました。 |
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左:大会委員長の水沼さんによる乾杯 右:乾杯〜 | |
本日のリザルトやこの時点までの年間ランキングも発表され大いに盛り上がりました。 その後は部屋に帰って本日のログ解析。各自「なぜそのルートを使ったのか?」や、「どこが失敗したのか?」をみんなで話し合い明日に備えました。 |
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一面を低いガスが覆う何とも微妙な状況で2日目の朝を迎えました。寒冷前線が夜に通過する予報が出ていることから選手受付は7時に繰り上がり、速やかにテイクオフに移動する指示が出されていました。選手は次々にトラックに機体を載せ、徒歩でモノラック乗り場へ移動します。テイクオフに到着すると一面が雲海のよう。上空の雲は南西から北東方向へかなりの速さで流れて行きます。陽射しも高層の雲に弱められガスが晴れるまで時間がかかりそうでした。 | |
低く垂れ込めたガスが・・・ | |
選手全員が揃ったのは9時30分を過ぎた頃。昨日よりも早めに動いた効果がありました。さっそくブリーフィングで本日の注意点が競技委員長から説明されました。気象条件を考慮し、ランディングクローズ時間は13時であることが告げられました。それによって可能なタスクは限定され、パイロンは全て湾内、ゴールもメインランディングとサブランディングになりました。 ダミーが出ますが全く上昇する気配がありません。エンドが決まっている以上、今日は時間との戦いとなりました。10時50分にゲートが開けられました。Pikaichiは優先権を使って少しでも良い条件で出る為に様子を伺いますが、劇的に良くなる気配もなく、先に飛んだ選手も辛うじてステイが精一杯な状況。テイクオフよりもゲイン出来る時間帯がありましたが、それもつかの間の出来事。これ以上待っても意味がないので、この時点でタスクを見切って出ることにしました。出て見るとやはり渋い。上昇するようなサーマルは皆無に等しく、もがきながらもランディングが迫ってきます。成す術なくランディングとなってしまいました。先に降りた選手はリフライトに上がりましたが、Pikaichiは状況からリフライトも意味がないと感じ、後から飛んで来るであろう隊員の写真を撮ることにしました。 |
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2日目のテイクオフにて・・・ | |
小林隊員、堀田隊員が飛んできました。それ以外の選手も次々にテイクオフして来ます。みなさん粘りますが、やはりタスクをこなせる状況にはない様です。時折ガーグルが出現し徐々に高度を稼ぐ集団も現れるものの、上空のムードが怪しく風も強さを増す兆候が認められた段階でタスクキャンセルが告げられました。これで心置きなく写真撮影が出来ます・・・(笑)。 | |
みなさん無事ランディングです・・・ | |
結局チャレンジリーグ最終戦「宇都宮OPEN CUP2009」は初日の結果で表彰されることになりました。また、リザルト上では1位の松原選手が表彰を辞退したことで、同点2位のPikaichiと呑村さんが優勝となりました。 チーム戦では、今年絶好調だった「プッチ・はーと」が2位入賞となりました。 今シーズンは新生Team-Cで臨んだ最初の年でしたが、なかなか思うように飛べないことも多く、隊員のみなさんも満足な結果とはならなかったかもしれませんね。個人的には最終戦を優勝で飾る事が出来、この日で退役する愛機TYCOONに有終の美を飾ってやれたことはとても満足していますが、総合的な成績な内容としては課題の残るシーズンだったと思います。それぞれがそれぞれの思いで自分の課題を見つめなおし、来シーズンに向けてのトレーニングに生かして欲しいと思います。 何はともあれ隊員のみなさん、お疲れ様でした!! |
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オープンクラス入賞者の面々 | |
チャレンジクラスチーム戦入賞者の面々 | |
大会終了後は餃子タスク。昨年言った「正嗣」でお土産用の餃子を調達し、今回は「みんみん」へ。ここの餃子はPikaichi好みです。とてもジューシーです。他の隊員も同意見でした。来年は何処へ行こうか? |
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「みんみん」の餃子は美味しかった・・・ | |
そして、11月3日にTYCOONの退役式を行いました。2006年から搭乗して4年間、よく頑張ってくれました。ありがとう。他の選手からは「汚い色」とか「白くない・・・」と言われながらも、飛びだけは維持してくれましたね。お疲れ様でした。 今後は新機に搭乗することになります。来年もよろしくお願いしますね。 |
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就役した新機・・・ | |
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