2009年9月26日〜27日は、チャレンジリーグ第7戦「デサントバードマンカップ獅子吼2009」。初日26日の気象予報は晴れベースながら、北に偏った高気圧の影響で獅子吼ではフォローとなる北東強風の予想。急遽、初日の競技をお隣福井県はスキージャム勝山エリアで行うことが前日に決定され、全選手に連絡を徹底したおかげで集合時間の7時30分には参加選手が1月前に訪れたはずのジャム勝エリアに集合したのです。

我が隊からの参加は、藤野、小林、西尾、桝谷、堀田、ゆう子、山本の今シーズン最大になる7名。それにとなみ野からは北くん、獅子吼からは朝ちゃんの9名で特別チームを編成しての参戦となりました。

 

1便でテイクオフへ
 
大会ごと移動するのはかなり大変だったろうと思いますが、受付も送迎者も全てが揃っていました。実は獅子吼の大会でジャム勝に移動したのはこれが初めてではありません。2006年にも一度試みたことがありました。その時は残念ながら飛べませんでしたが、デービッドの講義をみんなで聞いた記憶があります。今年のPWCファイナルもエリアを移動しての競技が行われたこともあり、今後はこのようなスタイルの開催方法も増えてくるかもしれませんね。

さて、受付を済ませた我が隊は珍しく1便でテイクオフへ移動。今日の予報は昼頃から晴天域に覆われ、それなりに競技が出来るコンディションになると言うもの。時間は十分あります。いつでも出られるように準備をしっかり行いました。
 
準備中の選手
 
 
選手ブリーフィングが行われ、しばらくウェイティングとなりました。競技が出来るのは早くて昼前。まだ日射もなく風も殆ど無風。ましてやジャムは午後から条件が良くなるエリアと言うことは、今まで散々経験したこと。機が熟すまでじっくりと待ちましょう・・・。
 
左:吉美競技委員長・・・ 右:大澤テクニカルデリゲート・・・
 

待つ間にタスクコミッティーによる協議。オープンクラスはメインランディングをスタートとし、テイクオフ後方にあるファンタジーレストハウス、沖の有料道路料金所、再びレストハウスをクリアし、これ以降はエリア北側(右側)の谷にある砂防ダム、料金所、レストハウスの三角パイロンを3周し、最後にジャム名物NTTアンテナを取ってメインにゴールする32.6Km。チャレンジクラスはオープンのタスク中の三角パイロンを2周してそのままゴールする23.8Kmを設定して仮発表。パイロンが多いので予めGPSにルートを入力してもらい、良くなったら即ゲートが開けられるようにしたのです。

ダミーや地元のパイロットが飛ぶ中コンディションは好転の兆しを見せ始め、一旦11時15分にゲートオープンと決まりました。が、二転三転する気まぐれなサーマル条件に翻弄され、もう少し条件が安定するまで再び待つことに・・・。しかし、結論から言えばこの状況はそれ程変わることなく競技終了まで続くのです。

 
左:ゆう子隊員テイクオフ・・・ 右:桝谷隊員テイクオフ・・・
 
ゲートオープンは12時。ゲートが開くと同時に選手が次々と飛び出します。今大会スプリントで参加している扇澤氏も早めのテイクオフ。しかし、コンディションはやはり渋めで周期的。そんな中でも弱いリフトを捕らえてステイもしくは上げ始める状況に藤野も早めのテイクオフ。ところが何故か上げられない。先に出た選手の大半が既に降りている。沖のサーマルで執拗に粘るも力尽きて敢え無くランディング・・・前回同様リフライトとなってしまいました。

リフライトに上がるとゆう子隊員、桝谷隊員はまだ待っていました。好判断でしょう。デパーチャークローズギリギリまで待ってのテイクオフでした。藤野も2本目のテイクオフ。が・・・またしても上げられない。今回はどうも悪いパターンにキッチリハマってしまった。ランディング間際にゆう子隊員と弱いサーマルで粘るもののキッチリ上げられず終了・・・でした。ゆう子隊員はすぐさまリフライトに向かいましたが藤野は気力が続かずリタイヤ・・・でした。

タスクの方は扇澤氏や大澤選手等ナショナル上位陣がキッチリゴールを決めて成立。我が隊でも桝谷隊員、小林隊員、山本隊員が距離を延ばしました。
 
ランディング間際から上げ直すゆう子隊員
 
 
競技終了後はすぐに獅子吼へ帰還。帰着やGPS提出を済ませて定宿の「白山青年の家」へ。そして18時30分からはパーティーです。デサント社がスポンサードするこの大会は今回で28回。賞品・パーティーが豪華なことで知られているとおり、今年も食べきれないほどの料理と大道芸人によるパフォーマンスにより楽しいひと時を過ごしました。また、初日の競技が勝山だったこともあり、選手宣誓を藤野が行いました(前年度準優勝者としてです)。

パーティー終了後は宿でお風呂。そして・・・明日の天気と好条件を祈りながら就寝となりました。
 
パーティーの様子・・・
 
 
朝目覚めると風も落ち着き陽射しもバッチリ。各種気象データを調べてもそこそこ良い。これは行けそうな気がする・・・。昨日まともに飛んでないので、今日はしっかりタスクを回りたいとみんな思ってたハズ。受付を済ませてすぐさまテイクオフへ移動。テイクオフの風は弱いフォローもしくは無風と言ったところですが、獅子吼は昼からが本領発揮です。きっとその頃にはバンバンになる・・・と思っていました。
 
朝の様子(白山青年の家)
 
上空に出来た雲は目測でも1000m以上の雲底があります。今日は間違いなく高く上がりそうです。それを参考にオープンクラスは37.8Kmのタスクを、チャレンジクラスは24.6Kmのタスクを設定。オープンクラスは北の梨笠山が6回も登場するタスク。チャレンジは南尾根、北尾根までの範囲でのタスク設定となりました。
 

獅子吼でのブリーフィング・・・
 
ゲートオープンが11時30分。デパーチャーオープンが11時45分に決まりました。遅めが有利と踏んだ藤野は待ちの姿勢です。最初に出た選手は若干上げ渋る場面も見られましたが、その後順調に高度を稼ぎ1200mくらいまでは上がっていそうな感じ。デパーチャーオープンと同時にスタートパイロンである朝日小学校(オープンクラス)へ向かっています。それに続き次々と選手がテイクオフして行きます。が、12時頃からテイクオフにはフォローが入り始めました。強弱のあるこのフォロー、出ようと思えば出られないことはないのですが、「後半良くなる」と信じている選手は待ちに入りました。この判断を支持するかのようにフォローの風は強さを若干増し滞空する選手が山に寄るとあざ笑うように下降風で翻弄します。高度のある選手はレースを続行出来ましたが、微妙な高さの選手はランディングを余儀なくされました。そんな中でも昨年のナショナルリーグのように沖に発生するサーマルを使って最後までレースを進めて行きますが、13時を過ぎる頃には全員が降りてしまいました。
 
 
テイクオフのフォローは時折弱まるものの止む気配っはなく、ゲートクローズの15時まで状況が変わるのを待つことになりました。もはや楽観的に「風が変わる」などと言っている場合ではなくなりました。アメダスによると、富山県側の北東風が強く、その影響で金沢市内では東風5m/s。獅子吼の南側までは南東風っぽいのですが。

待てども待てども変わらぬ状況に業を煮やし、藤野はいつ風が変わっても良いようにテイクオフでセットアップして待つことにしました。汗だくになりながらも待つこと1時間。時間は14時30分頃でしょうか。フォローが弱まり時折無風になるタイミングでテイクオフすることが出来ました。しかし空は高層雲に覆われていかにも渋そう。すぐ後をスプリントに乗った扇澤氏が追いかけてきます。若干南側を探りながらスタートパイロンである朝日小学校を取り、そのまま舟岡山北側の昆虫館辺りを探ります。ラッキーなこと鶴来の町から上がる弱いサーマルをヒットしジワジワと上がり始めました。もはやゴールなどと言う贅沢は言っていられません。少しでも多くのパイロンを効率よく取るしかありません。じっくりじっくり上げて高度800mを超えたところで次の南尾根へ。ここで少し奥を探ってしまったため高度を落としてしまいましたが、もう一度先ほどのサーマルで上げ直して梨笠山へ。もはやサーマルはここ一箇所と言った感じです。後から出てきた選手も群がって常にサーマルが顕になっています。もう一度上げ直すことが出来、今度は南高圧尾根へ移動出来ました。しかし、再び強さを増したフォローの風にサーマルも流されたのか上げる事が出来なくなり、飛んでいた選手は全てランディングに向かうことになりました。
 
この状況でよく飛んだよ・・・
 
 
難しいコンディションでしたが、大会としては2日とも競技成立。久しぶりの2本成立となりました。

今大会は同じ北陸と言うこともあって、隊員のみなさんも気合を入れての参戦でしたがなかなか思うように飛べないものです。ですが、そのうちに思う存分飛べるコンディションに当たることでしょう。それまで信じて訓練を積むしかありません。頑張りましょう。

今回もチーム戦では「プッチハート」がチャレンジクラス準優勝。今年はプッチハートイヤーかな?おめでとうございます。

我が隊が参戦する大会は残すところ最終の宇都宮のみとなりました。泣いても笑っても後1戦です。自分の力を出し切って、良い気分で終われるように残された時間を有意義に使いましょう。
 
チーム戦準優勝のプッチハート・・・
 
 
 
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