Team-Cの「大会日記-2008」 −PCL 宇都宮FINAL編-

2008/12/11UpDate


2008年の大会もいよいよJPAチャレンジリーグ宇都宮FINALで終了。この大会で今年の成績も決まってしまうので、結局はセレクションでオープン、チャレンジのランキング順に選抜されることになったのです。Pikaichiはタスク2本しか持っていないので、あわよくば2本成立で上位に食い込む目論見もあり、目標はシングルランキング。それなら何とか届きそうだと思うので堅実に行こうと・・・。ゆうこちゃんは女子7位で総合10位。少しでも上に行くことが目標です。

さて、最終戦はどうなったのでしょうか?


前日移動

12月6・7日の大会ですが、場所が宇都宮となれば移動時間もそれなりにかかってしまいます。夜中に移動して朝入るパターンも悪くはありませんが、過去の経験から寝不足で疲労度も高く危険な場合が多いので、今回は前日に移動して前泊することになりました。

今回参加するメンバーはPikaichiと小林さん、ゆうこちゃんの3名。そしてとなみ野からは北君。北君は単独で私たちよりも先に現地入りすると言うことで、小林さんがゆうこちゃん、Pikaichiを拾って移動することになりました。
Pikaichi家を出発したのは予定どおりの11時頃。途中コンビニに寄ってから流杉スマートICから北陸自動車道に入り、上越からは上信越道、藤岡JCTから関越、高崎JCTから北関東道へ入って、桐生太田ICで終点を迎える北関東道を降り国道50号で少しの移動。佐野ICからは東北道に乗っての「ほぼ全線高速移動」になりました。
12月5日は上空に寒気が流入し、寒冷前線がPikaichi達と共に移動していたようで、終始強い雨の中を宇都宮へ向けて移動したのでした。

宿は「コンセーレ」と言う宇都宮青年会館。エリアからはくるまで20分くらいの場所らしい。先発の北君と合流してチェックインし、しばしの休憩となりました。

今回の宿

餃子でしょ!!

晩御飯は当然の如く「餃子」です。ゆうこちゃんが予め何処に行けば良いかをリサーチしておいてくれたらしく、宿から近い「正嗣・駒生店」に行くことに・・・。餃子2人前とライスのセット、それから水餃子を頼みました。餃子の味は「まぁ、こんなもの」と言う感じかな?これは主観バリバリなのでそれぞれが違う感想をお持ちでしょうが、Pikaichiはそれほど餃子が好きと言う訳ではないのでそんな印象でしたが。でも、お腹は一杯になりましたよ。富山へ帰る時に再びお土産として買いに来ることにして、とりあえずはコンビニで買い物をしてから宿へ戻ることに。

正嗣の餃子

事前学習

宇都宮エリアは冬型に強いと言う情報で、まともに考えたら明日の予想気圧配置ではテイクオフにも上がらない強烈な冬型になっています。が、宇都宮や近辺の気象予測データを調べると、何となく飛べそうな気もしてきます。なので、もし飛べたら困る?ので事前に宇都宮エリアの予習をみんなで行いました。12月に飛べた時の気圧配置や気象データ、エリアログなどから拾ったサーマルトップなどを参考に、初日の気象状況やコンディションを予測しました。サーマルで上げるポイントや注意点も話し合い、立派なミーティングとなりましたよ。

その後はお風呂に入って就寝です。明日は6時起き。出発は6時30分。おやすみなさい・・・。


事前学習・・・

初日は快晴・・・でも寒い

大会初日の天候は晴れ。快晴です。寒気の影響か気温は凄く低い。寒いです。エリアには既に多くの選手が到着し、受付の列が出来上がっていました。ひさびさに会う選手も多く、みんな元気そうで何よりです。受付とGPSダウンロードを済ませて、あまりに寒いのでフライトスーツを着ることにしました。

そうこうしているうちに、「選手はテイクオフへ上がって下さい」とのことなので、機体をトラックに乗せてから、徒歩でモノラック乗り場へ移動。ここのモノラックはなかなかスリリングでした。最高斜度は40度はあるんじゃないかと思うような急勾配(見た目はほぼ垂直か?)を、悲鳴に似たエンジン音を響かせながら登っていくのはちょっとしたアトラクションでした。無事にテイクオフに到着し、初めての宇都宮エリアを眺めることが出来ました。

朝の風景とモノラック

宇都宮のテイクオフはランチャー。朝霧のウィングキッスみたいなもんですが基本的に木製。広さも同じくらいか?高度差が少ないのでぶっ飛びに注意でしょうか・・・。まだ8時を回ったところなので、テイクオフでゆっくり過ごすことにしました。

テイクオフから・・・

9時30分から開会式が始まりました。まだまだ飛べるかどうかも疑わしい状況なので、当然のことながらウェイティングになりました。と同時に、事前に練られていたタスクが仮発表としてタスクボードに記入されました。オープンは23Km、チャレンジは15Kmくらいのエラップスの予定。飛べるとしても本流の西絡みの風がいつ入るかわからないと言うことで、早めに競技を終わりたいと言う意向でした。

開会式・・・

ゲートオープンしたものの・・・

北風も弱くなり、ダミーも上がりこそしないものの普通に飛べているようにも見えます。この状況を好転と捉えて良いのかわかりませんでしたが、すぐにタスクブリーフィングに入り競技を行うことが決定されました。10時50分ゲートオープンです。今回のテイクオフ順はオーダーランチ制。Pikaichiの優先順位は15番。ゆっくり準備して出ることにしました。

ブリーフィング

トップ選手から順にテイクオフして行きます。一時トップアウトしそうなタイミングもあったので、そのタイミングを見てPikaichiもテイクオフしました。が、上がるどころか下がる一方。しかも、やはり北が被っているのか斜面際はとても怪しい・・・。多少粘ってみるものの、正直飛んで居たくないコンディションだったので自然に任せて降りることにしました。

Pikaichiを含め10名くらいが飛びましたが、みなさん漏れなくぶっ飛びと言うことになりました。その後は季節風が強まってタスクストップ(事実上キャンセル)となり、テイクオフに残った選手は再びモノラックで下山となりました。

降りました・・・

降りた後は水餃子が振舞われ、寒さに凍えた私たちにはありがたかったです。パーティーまでの空き時間を利用して、小林さんやゆうこちゃんたちは日光観光へ。東照宮へ行ったそうです。Pikaichiはミーティングがあったのでお先にパーティー会場のウェルサンピアへ入りました。

パーティーは豪華でした

ファイナルだからなのか、それとも谷田さん(宇都宮の校長先生)が太っ腹なのか、パーティーはとても豪華でした。料理もたくさんあってお腹一杯になるまで食べることが出来ました。また、パーティーの中では「面白年間表彰」と言うことで、大会皆勤賞や移動距離王、ゴール王などの項目で選手が表彰されました。これも面白い趣向ですね。鈴村さん、お疲れ様でした。

パーティーの中で、「明日は良い天気で良い条件が期待出来るので、オープンクラスは羽黒ゴールが使われるらしい」と言う情報が流れてきました。使えたらいいなと思っていた羽黒ゴールなので、それは「望むところ」でしたが。


パーティーにて・・・

再び予習

パーティーが終わってコンビニ経由で宿へ帰りました。宿では先にお風呂へ。そして再び予習です。

羽黒ゴールが使われると言うことなので、やはりその経路を頭に入れておかなければなりません。春に行われたナショナルリーグのフライトログを確認したり、タスクは「今日のタスク+羽黒」が濃厚であるとか、沖のパイロンの攻略をどうするかとか、いろいろと話合いました。それぞれがタスク攻略のイメージを持つことが出来たのではないかと思います。

本日はこれまで・・・。明日も6時起床で6時30分出発です。

2日目も快晴・・・やっぱり寒い

今日も朝から快晴。宿をチェックアウトして出発です。相当冷え込んだようで車のフロントガラスは凍って真っ白。暖気運転をしてからの出発となりました。

本来の受付時間は7時30分からなので、エリアはそれほど選手が来ていませんでした。先に受付を済ませてトラックに機体を乗せ、モノラック乗り場まで移動する時間まで気象データなどをチェック。減率も悪くないし鉛直Pも悪くない。凝結高度が1100mと言う予想で低い感じがしましたが、十分タスクが出来そうです。

テイクオフに到着すると接地逆転で当たりは白く靄っています。逆転層も見えます。でも、今日は遥か遠くに富士山が見えます。サーマルが出始めて活動が安定するには時間がかかりそうでしたが、飛べると分かっていると不思議と落ち着きますね。

待ち時間では地元の朋ちゃんを捕まえて盲学校やウェルサンピアの攻略法など情報収集。沖の地形や特徴からグランドサーマルも期待出来そうですが、やはり基本は高度を取って高く移動することしかないかな?ゆうこちゃんの機体をベースに移動する高度の基本を話し合いました。

2日目のテイクオフから

羽黒ゴール

タスクが発表(仮)されました。やはり昨日のタスク+羽黒ゴール。チャレンジは昨日と同じタスク。しかし、ダミーの上がりが今ひとつ良くない。やはり冷え込んだ影響でサーマル活動が十分ではない様子。これを見てタスクが一部変更されました。オープンは湾内最遠のウェルサンピアを外して少し手前の盲学校に変更し、そこからB22の橋、B01、羽黒へのコントロールポイントであるB24、羽黒ゴールの37.9Km。

D00-B14-B03(Start)-B01-B02-B13-B01-B02-B04-B01-B02-B04-B22-B01-B24-A73(Goal)

最初のB14はプレパイロンとなり、B03のビッグシリンダー600mがスタートライン。チャレンジクラスは盲学校を排除して尾根上の移動後にB16、B01を取ってサブランにゴールする19.5Km。

D00-B14-B03(Start)-B01-B02-B13-B01-B02-B01-B02-B16-B01-A72(Goal)

ゲートオープンは11時15分。デパーチャーオープン11時35分。デパーチャークローズ12時35分。今日は遅めが有利と思っていましたが、ダミーも結構上がっているし先に出た選手も上がり始めるとじっとしていられなくなります。選手のテイクオフ順も結局はオーダーランチの優先順位順となりました。


ゲートオープン

渋さとの戦い

Pikaichiは11時40分頃にテイクオフ。最初に左に向けてリフトを探るもぱっとせず、結局右側のやや沖で上げ始めた機体めがけて突っ込み何とかトップアウト。それでも高度は800m程か?プレパイロンのB14へ向けて移動するも高度が足りないので再度上げ直す。そこそこの高度で離脱してプレパイロンを取り、もう一度さっきのサーマルで上げようと思うが上手く上げられずに苦労していると、宮田君の乗る黄色いトリトンがやや沖で回しているのを発見しそれに合流。周囲にはリーグトップを狙うツワモノが大勢同じガーグルに・・・。少し早いかとも思ったけど、1000m前後でスタートすることにした。時間は12時前だったと思うが・・・。
B03を回ってB01へダイレクトに移動し、そのままアカイワのテイクオフ横あたりで上げ直す。既にスタートを切ったのだから早く移動したいが、事前情報ほどサーマルが上がらない。特にB02付近はこのエリアで最も信頼出来て高く上がるポイントだと思っていたのだが、パッとしたサーマルに巡り合うことはなく、またシリンダーにも入れずズルズルとテイクオフ方面に動くしかなかった。

しっかり上げることも出来ずにウロウロしていると、Pikaichiの後からスタートした選手がテイクオフ近辺に溜まってきた。最終戦でリーグ成績がかかっているためか、ツワモノ達が沖へ向けてグライドして行く。スタート時間を考えればPikaichiも一緒に動くのがセオリーだったが、サーマルがあまりにも単発的で、しかもサーマルトップが低い状況ではうかつに動くと危険と判断し、しばらく尾根上をキープしてステイしながら高みの見物を決め込んだ。

尾根上を移動しながらステイしていると、テイクオフ前やその下に多くの機体が溜まっている。相当渋そうだ。そうこうしているうちにランディングには多くの機体が降りて行った。そして、空中からほとんどの機体が消え去ったかのように誰も飛んでいない状況になった。この時一緒に飛んでいたのは10機程度ではなかったろうか?今日も渋さとの戦いになってしまった・・・。

条件好転

しかし、その後B02付近では良いサーマルにヒット。Pikaichiを含む生き残り組がガーグルを作り、とにかく上げられるだけ上げることに徹しました。センタリング中にB02を取り、ようやく1100mまで到達してB13へ移動を開始。さすがにこの高さがあれば多少渋っていても何とでもなる。楽々でB13を回ってB01の上空へ到達。そのままB02を回って先ほどと同じサーマルで上げる。今度は盲学校。沖には先にダミーがわりに飛んでいった宮田君のトリトンともう1機がセンタリングしている。サーマルはあるようだ。

高度1000mまで稼いでいよいよ沖へ向けてスタート。余程シンクがきつくなければテイクオフの高さで十分に帰ってくることが可能なはず。最初はややシンクがきつかったが、道路と並走する頃にはリフトがかって来て沈まなくなった。思った以上に盲学校は遠く感じたが、リフト帯らしき位置も確認することが出来、帰りはフォローであっと言う間にB01へ到達することが出来た。

今の状態ならば1000mは不要。B02を取って900m程度まで上げ直した後で再び盲学校へ。さっきよりも低い高度で移動してしまったが、コンディションは先ほどと変わりなく、大きなロスなく盲学校を取ることが出来た。この時、B22へ直接行くか迷ったが、テイクオフが目線だったので一旦B01へ戻して上げ直すことにした。

B04he向けて

一人旅

この頃にはリフライトの選手も空域に混じって賑やかさを取り戻していた。小林さんともテイクオフ前のサーマルで一緒になり、お互い手を振って激励。ここで900mまで上げてB22へ。これだけあれば楽勝と思ったが、向かい風でシンクレートが大きい。ヤバい。B22の手前で弱いリフトに当たったので、少し高度を戻してからパイロンを取った。リターンの目線は山の中間。リフトがなければ終わりかもしれない高さ。ランディング上空を突っ切って山に張り付きリッジで高度を上げる。ここが今回一番苦労したところかもしれないが、それでも何とか上げ直すことが出来た。ゆうこちゃんと一緒にサーマルで回せたのも楽しかった。ゆうこちゃんが空中で何か叫んでいるがハッキリ聞こえない。B01を取って、いよいよゴールへ向けてエリアを離脱する準備に入る。

みんな頑張れ

B02付近で1000m以上の高度でスタートしたい。しかし、サーマルはなかなかそこまで上げてくれない。途中のゴルフ場で上げられれば問題ないが、もし上がらなかったらそこに降ろさなければならないかもしれない。ファイナル戦で変なことはしたくなかったので、とにかく上がるまで粘ることにした。一度900mでスタートしかけたが突っ込みたい衝動を振り払って戻った。

時間は14時10分を過ぎた頃と思うが、ようやく良いサーマルに当たって目標の1000mを超すことが出来た。1100mでエリアを離脱。真っ直ぐにB24へ向けてグライドを開始した。最初のゴルフ場のある尾根で弱いサーマルを拾って上げ、2つ目のゴルフ場の尾根でもサーマルを拾った。予定より低い以上リフトを拾って繋いで行くしかない。この時「日頃からクロカンでトレーニングしていて良かった」とつくづく思った。そんな経験がなければ、初めてのエリアで初めてのコースをたった一人で出て行く決心は出来なかっただろう。高く上がれば別だが、とにかく高度がない。尾根と並行に移動して行くと、B24のある山の切れ目に到達した。ここでも高圧線が走っており、また道路を渡ってB24に到達するには高度が足りない。高圧線の近くでサーマルをヒットし、何とか700mくらいまで高度を回復。しかし、これ以上上がらない。後から追いかけてくる選手もなく、完全な一人旅。「次のサーマルポイントで上げられなければ終わり」と言う覚悟でB24へ向けてグライドを開始。情報では「漏れなくサーマルが付いてくる」はずのポイントにサーマルはなく、行く手を高圧線が立ちはだかる。パイロンは取ったがこの先に進むにはどうしてもサーマルをヒットして高度を上げるしかない。粘れるだけ粘ってみたがサーマルが来る兆候もなく、「深追いは禁物」と言い聞かせてB24そばの田んぼ(実際は田んぼを走る道路)に降ろすことにした。

電話で帰着申告をし、近くのセブンイレブンで回収を待った。小林さんに電話を入れて「B24まで来たよ。今から戻ります」と報告した。

B24付近・・・

優勝&リーグ優勝

エリアに帰ると「優勝だ」と言う声がかかる。まぁ、飛んでる最中から自分がトップだと言うことは分かっていたけど、どうやらそれが本当らしいと思うと嬉しくなる。鈴村さんから「デイクオリティは1になったよ」と聞かされた時は嬉しかった。これでノーマライズされて1000点もらえるから。

この結果が大きく影響し、大会だけでなく、なんとオープンクラスのリーグ優勝まで大逆転で取ることが出来たからです。元々シングルランキングを目標にして来たのですが、自分の中ではリーグ優勝の必須条件はタスク2本成立だったので正直驚きました。ランキングでは2位までたったの4点差。まさに大逆転でしょう。

大会の表彰式には、集計作業が手間取った影響もあって遅れてしまいましたが、表彰台の一番高い所に立つのは気分が良いですね。2位にはちゃいさんが入り、トップ3はNOVA独占。そして、女子3位には地元の朋ちゃんも入りました。

チャレンジクラスでは、三澤さんが2位に。ゆうこちゃんの「プッチGIN」がチーム優勝。

そしてリーグ年間表彰でもPikaichiが一番高い所。いわゆる「タイトル」ってやつ?
今年はチャレンジ獅子吼2位、ナショナル獅子吼で5位入賞と調子が良かったと言えるので、最後を優勝で飾れたのは本当に嬉しい。これもチームのみんなのおかげです。ありがとう。

来年はどんな活動になるかまだ未定ですが、大会も出られるものには参加したいと思います。

今シーズンお世話になりました。来シーズンもよろしくお願いいたします。


表彰式&年間表彰

※今回のログを参考データとして載せておきます。



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