Team-Cの「もうひとつの大会日記」 −F1 紀ノ川(真実)編ー |
2004/04/16UpDate
このページを見つけたあなたは幸運です。ここでは大会日記で語られなかった真実をお届けします。
それは”333”から始まった?
今大会でF2優勝を果たした早風くん。これにはホテルにチェックインした時から予兆があったのです。そう、今から思えばですが、神様が彼に大会の行く末を啓示していたのかもしれません。
午前1時30分過ぎにホテルに到着した私たちは、フロントでチェックインを済ませました。手渡されたキーのNo.は「333」でした。この時、このナンバーを見て
「おい、早風のゼッケンと同じだなぁ。これは何かあるかもな?」
といった会話を交わしながら部屋に入ると、その部屋は3階の非常設備を備えた非常口を兼ねた場所でした。避難用はしごも備え付けられていました。もちろん、そのことに関して気に留める者など誰も居るはずはなく、私たちは明日に備えて眠りに就いたのです。
ホテルいとうではルームナンバーが”333”だった・・・
大荒れのコンディション
大会日記でも書きましたが、初日のコンディションは「大荒れ」と言っても過言ではない状態になりました。なにしろ、山沈は7件(くらい)、アウトランも15件(くらい)と、まともにメインランディングに帰ってきた選手はゴールに匹敵するほどの価値があるとさえ言われたほどなのです。
ブリーフィング時の早風くん。これから起きることなど知る由もなく・・・
早風君はPikaichiがテイクオフした後ゲートに入り、6番目にテイクオフしたそうです。西尾君は10番目くらいだったとか。大会になるとあまり調子が出なかった早風君ですが、今回はしっかり上げることが出来たそうです。これはGPSのログでも確認しました。たしかに上げてました。(笑)
西尾君は上げ渋り、そのまま沖にこぼれて行きましたが、結局はランディングに届かず、偶然にも昔日本選手権でPikaichiがエスケープしたことのある用水の脇にアウトランしたそうです。ここは「西尾用水」と命名されました。
さて、F2優勝を果たした早風君はどうしたのか?彼は、上げることにこだわり、まだ高い選手が居るので上げようとしていたらしいのですが、折からの西風と海風の影響でコンディションは失速したため、高度はジリ貧になりました。仕方なく、寺山へ移動してスタートを切り、次の鳥小屋を目指しますが、不幸にもシンクにはまって最悪の事態を迎えます。何とか機首をランディングに向けますが、どう考えても届かない。それ以上に河原にも行かせないと言わんばかりの強烈なシンクになす術無く、彼は最後の決断をしたそうです。「山沈するしかない!」と・・・。
紀ノ川エリアには果樹園が多く、みかんや桃がたくさん栽培されています。桃の木は高いとの情報が入っていたので、桃の木を避け、回収を考えて低い木を狙って見事なツリーランを決めたそうです。彼の山沈場所には、紀ノ川エリアでは高名なフランソワさんも刺さりに来たそうです。紀ノ川には「早風の木」も出来てしまいました。
この2人の機体を回収するのに、地主の方から借りたはしごが大いに役立ったそうです。
おわかりいただけましたか?
333号室。非難ばしご。このキーワードは、333がはしごを使う事態になることを告げていたのでした。
ランディングに帰ってきた早風君の表情は、それはそれは文章では書き表せないほどの落ち込みぶりで、私も西尾君も、ただ黙って彼の機体を組み立てることしか出来なかったのです。
翌日、組んだ機体のチェックにいそしむ早風くん
そんな彼に朗報が飛び込みました。そう、F2で1位のポジションだったのです。
まさに、地獄から天国、復活を遂げた不死鳥のように、早風君はたちまち元気を取り戻し、ビールをガンガン?飲んで
「優勝したらどうしよう」とはしゃぎまわることになったのです。
この時点では、まだ優勝を知らなかった・・・
いいこともあるよね。長いことやってると・・・
Pikaichiは思います。大会は何が起こるかわかりません。また、長いことやってると、何か良いことがやってくるもんだと。なにしろ、スタートを切って山沈しただけで優勝です。過去を紐解いてもそのような例は心当たりがありません。
それでも大会は成立し、公式結果としてF2優勝なのですから、素晴らしい結果であったと言えるでしょう。
何かをやってくれる男。それが早風慎也なのかもしれません。次は、ホントにゴールしての優勝を期待したいと思います。
最後に、ホテルに宿泊した時はルームナンバーと部屋の設備にご注意を。それは、明日のあなたの出来事を暗示しているかもしれないのですから・・・。