質問1 |
RADONのSサイズに乗っています。RADONは、Mサイズ以上の翼形データとSサイズとは全く違いますが、性能的には遜色はありませんか? |
回答1 |
パラグライダーは小さいサイズになると性能はどうしても劣ります。それは、単純に縮小しただけであっても、レイノルズ係数やラインの長さや太さ、パイロットの抵抗などにより様々な条件が全く同一的に縮小することが出来ないからです。もし、小さいサイズも大きなサイズと全く同じデータで性能も同じと言っているメーカーがあるとすれば、それは間違いであると言わざるを得ません。
RADONの場合も、そう言った影響もあって、全く違う翼形になりましたが、小さいサイズでは、性能よりもむしろ安全性を確保する事の方が難しいのです。ハンドリングは小さい方が良いですから、シューティングも大きくなります。こう言った面も踏まえ、小さいサイズをToni
Benderがテストをしています。この手法は、TATOOやMAMBOOも同じです。 |
質問2 |
パラグライダーの性能はかなりのところまで来ていますが、私たちユーザーは買い換える必要があるのでしょうか?ARTAXとMAMBOOの性能的な違いはありますか? |
回答2 |
私たちは、だいたい2年毎に新しい製品を出すことを目標に開発を進めています。これは、ユーザーであるみなさんも十分予測可能なことですね。MAMBOOについて言えば、DHVは1-2の認証基準を変更しました。従来であれば、さらに高性能なARTAXの後継機を作ることも出来ましたが、1-2の基準の中に、コラップスによるシューティングが45度で止まるように定められました。このことがどのような意味を持つかは疑問ですが、MAMBOOはこの新しい認証基準をパスしています。性能的には、コンマ数ポイント程度の向上がコンピューター上ではのシミュレーションで出ています。先ほどの45度のシューティングについてですが、これは45度で止まればそれに至るスピードが速いとかゆっくりであるとかのリアクションは含まれていません。それが、もしも過剰なスピードでシューティングしたならば、パイロットは驚いてオーバーコントロールになり、二次的な危機を招くかもしれません。しかし、MAMBOOはシューティングする速度も穏やかでゆっくりなので、反応し対応する余裕を与えます。こう言った面でも、ARTAXとMAMBOOは違うと言えるかもしれません。 |
質問3 |
コンピュータシミュレーションはどこまで出来るのですか?コンピューターである程度のシミュレーションが可能であれば、テストパイロットは不要と言うことにもなるのでは? |
回答3 |
テストパイロットが不要になることはありません。コンピューターで出来ることは限られています。昔に比べれば、かなりのことが出来るようになりましたが、空中で起きる様々な風の状況や、それから引き起こされる潰れ、そしてその後の機体の動きをシミュレーションすることは不可能です。例えば、エアバス社が新しい飛行機(A-380)を作りましたが、それでも開発から長い時間を実際に飛行してテストしています。しかし、エアバス社の飛行機のシミュレーションはかなりの部分でコンピューターで出来るでしょう。パラグライダーは、軟翼であるために、それが大変難しいのです。ですから、Toni
Benderがあらゆる状況を想定してテストし、また、機体のセッティングを変えたりしてベストセッティングを探すのです。逆に、限界点も探します。そのためには、多くのプロトタイプを作りますが、必ずしも成功することはとは限りません。
そういう意味でも、コンピューターだけではなく、最後はテストパイロットの感覚や経験なども必要になるのです。 |
質問4 |
NOVAは、ラインにダイニーマを採用していますが、なぜケブラーを使わないのですか? |
回答4 |
私たちが重要視しているのは安全性です。これは妥協するべきではありません。ダイニーマには、確かに伸縮性の問題がありますが、強度は安定して維持し続けるのです。ケブラーはある時点から強度が極端に落ちてしまいます。そう言う面からも、ダイニーマを採用しているのです。 |
質問5 |
RADONでフルアクセルまで使うと、リーディングエッジが震えて若干潰れているようにも見えますが、これは問題ないのですか?また、フルアクセルまで使ってもいいもんでしょうか? |
回答5 |
それは問題ないです。潰れではありませんし、潰れることもありません。注意して使って下さい。 |